Honyaku Cloud が生まれたわけ

翻訳のこれまでとこれから

こんにちは!このページを読んでいるということは、あるものを別の言葉に移し変えたくて、何かいい方法がないか探しているということかもしれませんね。

日常では外国語が堪能な友達に翻訳に聞いてみたり、仕事だと翻訳会社に注文したことだってあるかも知れませんね。もしかしたら、グーグル翻訳をよく使っているなんていう人もいるでしょう。

ところで、今日でいう「翻訳」とはそもそも、どのように行われているものでしょうか?グーグル翻訳が無料なのに、なぜ高額な翻訳サービスがあるのか。それに、翻訳者にとって不可欠な道具の「翻訳メモリ」とは何か、そしてこれを使うとなぜコスト削減・作業時間の短縮につながるのか。これらの疑問に答え、Honyaku Cloudがなぜ生まれたかのご説明も兼ねて、翻訳の歴史を振り返ってみましょう。


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時は紀元前55年、ローマ。

哲学者キケロ著作の『弁論家について』で、翻訳はただの直訳であってはならないと初めて議論します。その後、405年に翻訳の守護聖人ヒエロニムスは、ギリシャ語の聖書を、多くの人が理解できる言語のラテン語に訳し、「ウルガータ」を完成させました。

ヒエロニムス掲げた手法は、キケロが反対した直訳とは違う、コミュニケーション重視の伝達的翻訳こと「Communicative Translation」であり、古代における意訳翻訳の第一人者としての地位を固めました。21世紀になっても「直訳か自由訳か」を巡って論争が繰り返し展開されていますが、直訳から意訳へという斬新な進化を遂げたのは古代の先人でした。


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時は流れ、
ヨーロッパの中世。

1439年、聖書が再び翻訳の世界に革命を起こします。グーテンベルグの活版印刷発明により、市民が識字能力を身につけ、マスコミニュケーションの時代の幕開けとなりました。このルネサンス期における活版印刷は1日に3600ページの印刷が可能だったといい、わずかな枚数に限られていた手書き複写と比べ、その差は歴然。活版印刷は、翻訳と複写のスピードを早めただけでなく、作業をより簡単にし、コストを下げたのです。いわゆる情報技術(IT)における革命でした。

私たちもルネサンスの先人に見倣い、翻訳作業のスピード化を図るべく、最新のIT技術を駆使します。


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16世紀に入ると、活字に親しむ人たちが増えます。

ヨーロッパをはじめ、英国では発音(大母音推移と呼ばれるもの)や綴り、句読点など、言葉についての正しいルールを定め、統一させる必要に迫られました。この過程で見逃せない出来事の一つが、1755年、英国のサミュエル・ジョンソンによる世界初の英語辞典の出版です。1世紀も待たずに1828年に米国のノア・ウェブスターがアメリカ英語辞書を発表。アメリカ英語の綴りや語源を読者中心の観点から編纂しました。


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ところで、

なぜこれらの出来事が翻訳と関係するのでしょう?答えは、翻訳に求められる一貫性です。何を伝えたいのか、自分の考えやメッセージを整理し、相手に届くよう正確な言葉に置き換えるためには、共通理解となる辞書の存在が不可欠です。いわば言葉のデータベース。これこそが、翻訳業界において「用語集(タームベース)」と呼ばれるものです。


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ウェブスターの辞書から約1世紀半を経て、1976年。

コンピューターで遊んでいた日本の19歳の青年が、辞書技術に革新をもたらします。現ソフトバンクグループ代表の孫正義氏が、カリフォルニア大学バークレー校の教授らの協力を得ながら、電子辞書を発明、シャープにその特許を1億円で売却したのです。これは、コンピューター支援翻訳 (Computer Assisted Translation) の先駆けであり、初めての電子タームベースの一つです。翻訳の歴史におけるデジタル革命でした。


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20世紀後半から現在まで。

世界の激しいグローバル化と情報化に伴い、翻訳のニーズが急速的な高まりを見せました。一方で、どんなに優秀な翻訳家であっても、一人がこなせる仕事量には限界があり、生産性は相変わらず低いままでした。そのため、割高で、時間もかかる翻訳は企業活動の妨げであり、孫氏の電子辞書に勝るツールを求める前触れとなりました。この結果が、コンピューター支援翻訳(CAT)と、機械翻訳技術です。これらの技術が単語単位の用語集と、文章レベルの翻訳記録の「翻訳メモリ」を持ち、機械翻訳技術と合わせて、1990年代以降の一人ひとりの翻訳家の生産性と一貫性の向上を後押ししたのです。


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クラウド時代に突入。

インターネットが普及するにつれ、クラウド技術が広がります。Googleの元CEOエリック・シュミット氏により「クラウド・コンピューティング」という言葉が生まれた2006年以降、技術は飛躍的に向上し、今日に至ります。世の中に与えた影響は大きく、あらゆる仕事の現場に効率化をもたらし、チームでの共同作業にも欠かせないものとなりました。クラウドによるアウトソーシングも広がっており、仕事の仕方そのものも変わりつつあります。クラウドが働き方革命を起こしたのです。


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機械翻訳が進化。
一方で、課題も。

インターネットの普及で機械翻訳が多くの人にとって手軽なツールにもなりました。機械翻訳は進化を見せ、フレーズ間の翻訳確率を計算して翻訳先の言語の適切な語順に並べ替える当初の「フレーズベース機械翻訳(PBMT)」の技術から、今では統計的機械翻訳のもと、人間の脳のような学習機能をもつニューラルネットワークを活用し、その質を高めようとしています。ただ、現状では、アルゴリズムが翻訳の品質管理を行うので、文脈理解や精度の問題は付きまとうのも事実。多くの誤訳を目にする機会も増えました。

専門家による質の高い翻訳を、
クラウド技術を応用して届けられないか。

いよいよHonyaku Cloudが誕生。


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「人」と「クラウド技術」の融合

Honyaku Cloud は技術と人の融合による、新たな翻訳方法です。次世代の翻訳支援ツールやクラウド技術、経験豊富な翻訳チームによるキュレーションを組み合わせ、翻訳に関する問題を解決するのです。翻訳の受注や、タームベースの構築、翻訳メモリの応用など、自動化できる部分は機械に任せることで費用を抑え、従来の翻訳会社に比べて低い価格で、より早く、より手軽で、より使いやすい翻訳サービスを実現。一方で、翻訳そのもの、そして品質管理については専属翻訳者が行うので安心。

翻訳とは本来、人によるクリエイティブな共同作業です。クラウド環境の下で、様々な翻訳者がチームとなって意見を交わし、一つの翻訳案件に対して、同時に取り組めるのです。さらに、お客さまも加わり瞬時にフィードバックを得られることで、作業効率はもっと上がります。企業ブランドを理解し、広く発信するためには、お客さまとの末永いお付き合いが欠かせません。翻訳やデータの管理に限らず、フォーマット要件や視覚効果、訳文の響きに至るまで配慮し提案しています。

私たちは、信頼できる翻訳者、翻訳支援ツール、クラウド技術を用いて、柔軟に対応できるチームです。だからこそ、従来の翻訳の仕組み、本来翻訳会社においてかかるコストを抱えずに、本業に専念できるのです。お客さまにとっては、手頃な価格でサービスを利用できると共に、自前で翻訳担当者を雇う責任からも解放されるのです。何よりも、私たちはHonyaku Cloudで手がけた翻訳データは、活用しやすく、探しやすい、完全なバイリンガルアーカイブとして整理整頓し、お客さまにお返しします。全てのデータはお客さまのものであり、その後の利活用については自由。追加料金を請求することもありません。

さて、Honyaku Cloud が生まれた訳、お分かりいただけたでしょうか。長く続いてきたやり方を変えるのはたやすいことではありませんが、私たちはよりよい翻訳の仕方を目指し、挑戦を続けています。ぜひ、Honyaku Cloud をお試しください。私たちは、常にサービスの改善を図り、お客さまの身近な存在となり、末永い関係を築いていきたいと思っています。